こんにちは!大西カツシです。
これから資産運用を始める場合、選択肢のひとつとしてロボアドバイザーを検討するのではないでしょうか。
ロボアドバイザーは、最初に簡単な質問に答えるだけで、運用プランの決定や商品の売買、リバランス(資産配分の調整)など、資産運用をすべてお任せできるサービスです。
口座に入金すれば、あとはロボアドバイザーが自動で運用してくれることから、「初心者におすすめ」と紹介されることが多いですね。
しかし、資産形成を目的に運用を始めるなら、ロボアドバイザーは避けるべきです。
理由は以下の通りです。
- 運用コストが高い
- 非課税制度(つみたてNISA・iDeCo)が利用できない
- 運用が非効率
それぞれ説明していきますね。
運用コストが高い
多くのロボアドバイザーでは、年率1%程度の手数料がかかります。
手数料1%を「シンプル」「手数料を抑えた」と謳っているサービスもありますが、かなり割高です。
一方、低コストのインデックスファンドを自分で保有すれば、年率0.2%未満で済みます。
1%と0.2%は、数字だけを比べると「大した差ではない」と感じるかもしれません。
しかし、以下の記事で解説しているように、運用コストは運用期間が長くなるほど、運用成績に大きな影響を与えます。
関連記事:信託報酬(運用コスト)は投資信託の運用成績にどんな影響を与えるのか
非課税制度(つみたてNISA・iDeCo)が利用できない
ロボアドバイザーは、つみたてNISAやiDeCoといった非課税制度が利用できないのもデメリットです。
投資の運用益には、通常約20%の税金がかかります。
たとえば、運用益が100万円の場合、約20万円課税され、手元に残るのは約80万円(100万円-約20万円)です。
しかし、つみたてNISAやiDeCoなら運用益が非課税になるので、100万円がそのまま手元に残ります。
また、iDeCoの場合は、掛金が所得控除になって所得税や住民税が安くなるメリットもありますね。
ロボアドバイザーは非課税制度のメリットを享受できないので、これから資産形成に取り組むなら、つみたてNISAやiDeCoが使えるインデックスファンドがおすすめです。
関連記事:インデックスファンドを買うときは非課税口座を優先的に使う
運用が非効率
多くのロボアドバイザーは、海外ETFやインデックスファンドで国内外の株式、債券などに分散投資を行います。
「国際分散投資で資産形成を目指す」という考え方自体は悪くありません。
しかし、2020年5月時点では、ETFやインデックスファンドで債券に投資を行うのは非効率です。
現在の日本は低金利で、国内債券は将来金利が上がると、債券価格が上昇して損をする可能性があります。
また、日本以外の先進国も金利が低下しており、外国債券は為替リスクもありますね。
個人的には、リスク資産は株式100%でよいと思います。
もし債券クラスに投資するなら。元本保証の個人向け国債変動10年を検討しましょう。
関連記事:個人の資産形成に国内債券の投資信託(インデックスファンド)は不要!
関連記事:インデックス投資のポートフォリオに外国債券はいらない
まとめ
多くのロボアドバイザーは、資産運用の王道である「長期・積立・分散」による資産形成を勧めており、その考え方には共感できます。
しかし、ロボアドバイザーは手数料が高く、非課税制度も利用できないので、個人的にはおすすめしません。
低コストのインデックスファンドなら、ロボアドバイザーより運用コストは安く済みますし、非課税制度が利用できるので、効率的に資産を増やすことができます。
全世界株式型のファンドを保有すれば、リバランス不要で手間もかかりません。
これから資産運用を始めるなら、ロボアドバイザーではなく、インデックスファンドがおすすめです。
関連記事:リスク資産は全世界株式インデックスファンド1本で運用するのがおすすめ