民間保険は本当に必要?保険に入る前に知っておきたい公的保障の基礎知識

就職や結婚、出産といったライフイベントを迎えると、保険に入ることを検討するのではないでしょうか。

しかし、民間の保険に入らなくても、国民のセーフティネットである公的保障を受けられます。

保険に入る前に、公的保障について理解を深めておくことが大切です。

今回は、主な公的保障の内容や注意点について説明します。

公的保障とは

公的保障とは、国民の生活を守るために国が用意している保障のことです。

国民年金や健康保険の保険料を払っていれば、一定の死亡保障や医療保障を受けられます。

公的保障の内容は、職業や加入している年金制度や健康保険組合によって変わってきます。

ある程度の預貯金があり、公的保障で不足する分を自己資金でカバーできるなら、民間の保険は必要ないかもしれません。

公的保障の内容を理解しておけば、ムダな保険に入らずに済むので保険料の節約になります。

主な公的保障をまとめて紹介

公的保障では、どのようなときにどれくらいの保障を受けられるのでしょうか。

ここでは、主な公的保障の内容をまとめて紹介します。

遺族年金

遺族年金とは、国民年金や厚生年金の被保険者が亡くなったときに遺族が受け取れる年金です。

国民年金は「遺族基礎年金」、厚生年金は「遺族厚生年金」といいます。

遺族基礎年金の場合、子が18歳到達年度の末日まで年金が支給されます。

たとえば、夫、妻、子(18歳未満)の3人家族で、国民年金に加入する夫(または妻)が亡くなった場合、遺族は子が18歳になるまで約100万円の年金(月約8.3万円)を受け取れます。

子どもがいない場合、遺族基礎年金は支給されないので注意が必要です。

亡くなった人が会社員の場合は、遺族基礎年金に遺族厚生年金が上乗せされます。

詳しくは、日本年金機構の下記ページをご確認ください。

参考)日本年金機構「遺族年金」

高額療養費制度

高額療養費制度とは、高額の医療費を払ったときに、自己負担限度額を超えた分が後で払い戻される制度です。

医療費が高額になることが事前にわかっている場合、「限度額適用認定証」を提示すると窓口での支払いは自己負担限度額までとなります。

医療費の自己負担限度額は、年齢や収入によって異なります。

たとえば、70歳未満で標準報酬月額が28~50万円の場合、限度額は以下の算式で計算します。

80,100円+(総医療費※-267,000円)×1%
※総医療費は保険適用前の診察費用の総額(10割)

仮に総医療費が100万円の場合、自己負担限度額は87,430円です。

1年間に3ヵ月以上の高額療養費の支給を受けた場合は、4ヵ月目から「多数該当」となり、さらに自己負担限度額が下がります。

また、会社員の場合、加入している健康保険組合によっては「付加給付(給付の上乗せ)」を受けられることもあります。

詳しくは、全国健康保険協会(協会けんぽ)の下記ページをご確認ください。

参考)全国健康保険協会「高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)」

傷病手当金

傷病手当金とは、健康保険の被保険者が病気やケガで会社を休んだときに支給される手当金です。

業務外の病気・ケガの療養のための休業で、連続する3日間の後、4日目以降の仕事につかなかった日に対して支給されます。

傷病手当金の支給額は給料の3分の2が目安で、支給期間は最長1年6ヵ月です。

傷病手当金は会社員が対象で、国民健康保険に加入する自営業者・フリーランスには支給されないので注意が必要です。

詳しくは、全国健康保険協会(協会けんぽ)の下記ページをご確認ください。

参考)全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」

障害年金

障害年金とは、病気やケガで生活や仕事が制限されるようになった場合に受け取れる年金です。

国民年金は「障害基礎年金」、厚生年金は「障害厚生年金」といいます。

障害年金は、原則として初診日から1年6ヵ月経過した日が障害認定日となり、障害等級に応じて年金額が決まります。

たとえば、国民年金の被保険者が障害等級1級と認定された場合、年金額は約97万円(月約8万円)です。

18歳未満の子どもがいる場合は子の加算があり、年金額が上乗せされます。

また、会社員で厚生年金に加入している場合は、障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せされる仕組みになっています。

詳しくは、日本年金機構の下記ページをご確認ください。

参考)日本年金機構「障害年金」

公的保障を受ける際の注意点

公的保障を受けるには、国民年金保険料や国民健康保険税の未納がないことが条件となります。

会社員の場合、厚生年金や健康保険の保険料は給与から天引きされるため、未納の心配はないでしょう。

しかし、自営業者やフリーランスは、国民年金や国民健康保険で未納があると公的保障を受けられません。

未納がある場合は速やかに納付し、どうしても払うのが厳しい場合は放置せず、自治体の窓口に相談しましょう。

関連記事:国民年金保険料を払い続けるべき3つの理由

まとめ

民間の生命保険や医療保険を考えるときは、まず公的保障の内容を確認することが大切です。

公的保障で不足する分だけを民間保険でカバーすれば、ムダな保険に加入せずに済みます。

ある程度の預貯金がある場合は、民間保険には加入しないのも一つの考え方です。

民間保険を検討するときは、公的保障を考慮して必要保障額を計算しましょう。

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当ブログ『らくらく資産形成術』の運営者。本業はフリーランスの金融ライター(AFP)です。10年以上の投資経験とFP資格を活かし、複数のメディアで執筆しています。インデックス投資で資産形成中。