【感想】サイコロジー・オブ・マネー|モーガン・ハウセル(著)

『サイコロジー・オブ・マネー』は43か国で刊行され、世界的ベストセラーとなったお金の本です。

著者のモーガン・ハウセル氏はベンチャーキャピタルのパートナーで、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の元コラムニスト。本書のAmazon.comのレビューは10,000件を超えています。

副題に「一生お金に困らない「富」のマインドセット」とあるように、お金を増やすためのノウハウ本ではなく、お金に困らないための考え方が中心です。

著者自身は「バンガードのインデックスファンドをドルコスト平均法で積み立てる」というシンプルな資産運用を実践しています。

読もうと思ったきっかけ

本書を読もうと思ったのは、たまたま立ち寄った書店で手に取ったのがきっかけです。

帯に「ここ数年で最も独創的なお金の本」とあり、どんな内容か興味を持ちました。

また、世界的ベストセラーとなっていることも気になったポイントです。

印象に残った内容

個人的に印象に残った内容は以下の2つです。

複利の魔法

1つ目は、複利の持つ力は想像以上に大きいという内容です。本書では、氷河期が起きる仕組みを例に、複利の巨大な力を説明しています。

地球の表面が氷で覆われる氷河期は、わずかに涼しい夏が訪れることで始まるのだそうです。

「前年の冬の雪が残る(夏)→雪が積もりやすくなる(冬)→さらに雪が残る(夏)→…」のサイクルを繰り返すことで、大陸を覆うほど巨大な氷床に成長します。

厳しい寒さが突然訪れるようなイメージだったので、わずかに涼しい夏が氷河期を引き起こすきっかけになるとは思いもしませんでした。

氷河期が起こる仕組みと同じように、資産運用も長期にわたって複利運用を続けることで、お金の増え方は少しずつ大きくなっていきます。

本書では、米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏の資産のほとんどは60代以降に増えたものだと説明されています。

「若い頃に経済的基盤を築き、長く投資を続けたことが成功の最大の要因」という内容には説得力がありました。

「目的のない貯金」ほど価値が高い

「目的のない貯金ほど価値が高い」という著者の主張も、印象に残った内容の1つです。

一般的には、お金を貯めるには目的が必要とアドバイスされることが多いのではないでしょうか。

しかし、人生は予測不能であり、最悪のタイミングで予期せぬ出来事が起こることもあります。

目的のない(使い道が決まっていない)貯金はリスクへの備えとなり、転職・独立、早期リタイアといった多くの選択肢をもたらしてくれます。

十分な貯金があれば、資産運用がうまくいかない時期も積立投資を継続できるので、将来株価が上昇して大きなリターンを得られる可能性もありますね。

私も目的なく貯金するタイプなので、自分の行動が間違っていないと確認できたのは大きな収穫でした。

どんな人におすすめ?

『サイコロジー・オブ・マネー』は以下のような人におすすめです。

  • お金の不安を解消・軽減したい人
  • 経済的自由を達成したい人
  • 資産運用でお金を増やしたい人
  • お金の使い方を見直したい人
  • よりよく生きたい人

本書は、お金に関する普遍的な真理を教えてくれる本です。

「~したらお金が増える」といったノウハウ本ではないので、手っ取り早くお金を増やす方法を知りたい場合は別の本を読んだほうがいいでしょう。

しかし、「お金の貯め方・使い方を見直し、よりよく生きたい」と願う人にとっては得るものが大きいはずです。

まとめ

個人的には、最近読んだマネー本の中では一番よかったです。

著者のお金に関する最大の目標は「経済的自立」で、「贅沢な暮らしには興味がない」「安心して毎日を過ごせることを優先したい」といった考え方にも共感を持てました。

一生お金に困らない生活をしたいと思うなら、ぜひ読んでおきたい一冊です。

私もお金の使い方・価値観を見直すために、定期的に読み返したいと思います。

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当ブログ『かつにっき』の運営者。本業はフリーランスの金融ライター(AFP)です。10年以上の投資経験とFP資格を活かし、複数のメディアで執筆しています。