企業型DC(確定拠出年金)の運用商品の選び方

勤務先が企業型DC(確定拠出年金)を導入している場合は、従業員が自ら商品を選んで運用する必要があります。

しかし、投資経験がないと、どんな商品を選べばよいかわからないのではないでしょうか。

企業型DCは、運用成果によって将来受け取れる年金額が変わってきます。

老後を迎えてから後悔することがないように、自分にあった運用商品を選ぶことが大切です。

今回は、企業型DCの運用商品の選び方について解説します。

企業型DCの特徴をおさらい

企業型DCには以下3つの税制優遇があります。

  • 運用益は非課税
  • 掛金(マッチング拠出)は所得控除
  • 受取時は所得控除が適用

投資信託などで運用すると、通常は利益に対して税金がかかります。

しかし、企業型DCでは利益に課税されないので、効率よく資産を増やすことが可能です。

マッチング拠出で掛金を払っている場合は、自己負担分は所得から控除され、所得税・住民税が軽減されます。

また、企業型DCは、将来掛金を受け取るときにも税制優遇があります。

一時金で受け取る場合は「退職所得控除」、年金の場合は「公的年金等控除」が適用され、一定額までは非課税で受け取れます。

企業型DCの運用商品の種類

企業型DCの運用商品は、「元本確保型」「価格変動型」の2つに分けられます。

元本確保型商品

元本確保型商品は、定期預金や保険商品です。

元本保証で安全性が高いのがメリットですが、大きく増えることもありません。

価格変動型商品

価格変動型商品には投資信託があります。

投資信託とは、複数の投資家から集めた資金を1つにまとめ、専門家が株式や債券などで運用する金融商品です。

基準価額が日々変動するので、うまく運用すれば資産を大きく増やせますが、値下がりして元本割れするリスクもあります。

投資信託の主な投資対象資産は以下の通りです。

  • 国内株式
  • 海外株式
  • 国内債券
  • 海外債券
  • 国内REIT
  • 海外REIT ※REITは不動産

投資信託は特定の株価指数に連動する「インデックスファンド」、市場平均以上のリターンを目指す「アクティブファンド」の2つに分けられます。

また、1本で国内外の株式や債券(+不動産)に分散投資を行う「バランス型」と呼ばれる投資信託もあります。

企業型DCの運用商品の選び方

株式インデックスファンドがおすすめ

企業型DCの「運用益が非課税」という税制メリットを活かしたい場合は、掛金の100%を投資信託で運用することを検討しましょう。

具体的には、株式が投資対象のインデックスファンドがおすすめです。

世界の株式に分散投資ができる商品(全世界株式)があれば、それを1本保有すればOKです。

全世界株式がない場合は、国内株式(TOPIX)や先進国株式を組み合わせるといいでしょう。

複数の商品に投資するのが面倒なら、個人的には先進国株式1本でも問題ないと考えています。

関連記事:インデックス投資におすすめのポートフォリオと考え方

運用コストが低い投資信託を選ぶ(0.3%未満が目安)

企業型DCで投資信託を選ぶときは、運用コストが低い商品を選ぶことが大切です。

投資信託では以下3つのコストがかかります。

  • 信託報酬(運用管理費用)
  • 購入時手数料
  • 信託財産留保額

まず注目したいのは信託報酬です。

信託報酬は運用資産から日々差し引かれるので、運用期間が長くなるほど投資成果に大きな影響を与えます。

「年率0.3%未満」を目安に、なるべく低い商品を選ぶといいでしょう。

投資対象資産が同じであっても、商品によって信託報酬が異なるので注意が必要です。

企業型DCの場合、投資信託の購入時手数料は無料であることが多いのですが、念のため確認しておきましょう。

信託財産留保額とは、投資信託を解約するときに支払う費用です。

企業型DCでは、信託財産留保額が無料の投資信託を選びましょう。

アクティブファンドやバランス型は避ける

アクティブファンドは、インデックスファンドに比べて運用コストが高い傾向にあります。

投資成果は専門家(運用会社)に左右されますし、市場平均を超えるリターンを得られる保証もありません。

長期にわたってインデックスファンドを上回る成績を残しているアクティブファンドは少ないので、避けたほうが無難といえます。

また、債券が投資対象の投資信託、バランス型も投資効率が悪いのでおすすめしません。

関連記事:個人の資産形成でアクティブファンドをおすすめしない理由

関連記事:バランス型投資信託をおすすめしない理由

元本確保型は企業型DCの税制メリットを活かせない

企業型DCでは、何となく定期預金や保険商品を選んでいるケースが少なくありません。

元本割れリスクがないので、「絶対に損をしたくない」と考えるなら100%元本確保型でもいいでしょう。

しかし、元本確保型商品を選ぶと、企業型DCの「運用益が非課税になる」という税制メリットを活かせません。

金融庁の資料によると、資産・地域を分散した積立投資を長く続けることで、結果的に元本割れの可能性が低くなる傾向にあります。※

また、まとまった預貯金を確保しておけば、保有資産全体のリスクをコントロールできます。

企業型DCの税制メリットを活かして資産を増やしたいなら、掛金の100%を株式インデックスファンドで運用しましょう。

※参考:金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」

まとめ

資産配分に正解はないので、リスクをとりたくないなら元本確保型で運用しても問題ありません。

しかし、企業型DCでまとまった資産を作りたいなら、ある程度のリスクを受け入れる必要があります。

投資信託で運用する場合は、国内外の株式が投資対象のインデックスファンドがおすすめです。

複数の運用商品を比較して、運用コストが低い投資信託を選びましょう。

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当ブログ『かつにっき』の運営者。本業はフリーランスの金融ライター(AFP)です。10年以上の投資経験とFP資格を活かし、複数のメディアで執筆しています。