アクティブファンドは、市場平均を上回るリターンを目指して運用される投資信託です。
ファンドの運用方針に沿って、ファンドマネージャーが投資銘柄を選定・運用します。
うまく運用できれば市場平均を上回るリターンを得られるため、アクティブファンドを好む方もいるのではないでしょうか。
しかし、資産形成を目的に投資に取り組むなら、アクティブファンドはおすすめしません。
理由は以下の通りです。
- 運用コストが高い
- 利用できる非課税制度が少ない
- 長期にわたって勝ち続けるのは難しい
それぞれ説明していきますね。
運用コストが高い
アクティブファンドは運用コストが高く、信託報酬が1%を超えるファンドがほとんどです。
中には、購入時手数料や信託財産留保額がかかるファンドもありますね。
特に信託報酬は、ファンドを保有している間は継続してかかる費用なので、保有期間が長くなるほど運用成績に大きな影響を与えます。
▼詳しくはこちらの記事で解説しています。
参考:信託報酬(運用コスト)は投資信託の運用成績にどんな影響を与えるのか
一方、低コストのインデックスファンドであれば、長く運用してもそれほどコストはかからないので、安心して長期保有できます。
利用できる非課税制度が少ない
非課税制度(NISA・iDeCo)は投資信託の運用益が非課税になるので、資産形成に取り組むなら活用したい制度です。
しかし、アクティブファンドは利用できる非課税制度が少なく、一般NISAは利用できますが、つみたてNISAは対象商品が限られています。
2020年4月1日現在、つみたてNISA対象商品174本(投資信託)のうち、アクティブファンドはわずか18本(約1割)しかありません。
つまり、金融庁は「ほとんどのアクティブファンドは個人の資産形成に適していない」と考えているのです。
iDeCoについても、ネット証券ではアクティブファンドよりインデックスファンドを多く取り扱っています。
関連記事:インデックスファンドを買うときは非課税口座を優先的に使う
長期にわたって勝ち続けるのは難しい
インデックス投資の名著『敗者のゲーム』では、プロでも市場平均を上回るリターンを獲得し続けるのは難しいと指摘しています。
伝統的に資産運用の世界では、市場に勝つことができるという信念が支配的であった。しかし時代は変わり、今日ではこの前提は、プロの運用機関にとってさえ当てはまらない。年間成績では約6割のマネージャーが市場平均を下回る。10年では約7割、20年では8割のマネージャーが市場に負けている。
引用:敗者のゲーム|第1章 運用は「敗者のゲーム」になった(P18-19)
アクティブファンドは、運用方針に沿ってファンドマネージャーが投資銘柄を選定します。
ファンドマネージャーの腕がよければ、市場平均を大きく上回るリターンを得られるかもしれませんが、マネージャーの良し悪しを見分ける基準・方法はありません。
また、たとえ過去の運用成績がよかったとしても、将来にわたって利益を出し続けられる保証はありません。
インデックスファンドであれば、基準価額がベンチマークする指数に連動するように機械的に銘柄を選定するので、大きく勝つことはできなくても、常に市場平均のリターンを得ることができます。
期待通りのリターンを得られるかわからないアクティブファンドより、インデックスファンドを保有するほうが合理的です。
まとめ
市場平均以上のリターンを目指して運用されるアクティブファンドは、魅力的に見えるかもしれません。
しかし、アクティブファンドは運用コストが高く、つみたてNISAやiDeCoといった非課税制度が利用できないファンドも多いです。
また、過去の運用成績がよくても、将来にわたって勝ち続けられる保証はありません。
個人が資産形成に取り組むなら、ほぼ確実に市場平均のリターンが得られる、低コストのインデックスファンドがおすすめです。